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http://logics-of-blue.com/cpue/
海って広いです。潜水艦を何隻派遣したって、魚の数を全て数えることはできないでしょう。
そこで登場するのが CPUE。魚の数を計算できる便利な指標です。
水産資源管理の第一歩は、魚の数を調べることで す。
今年100トン漁獲したとします。で、海の中にはあと1万トン残ってますということならもっと獲っても大
丈夫だし、逆にあと30トンってことなら、その魚は絶滅寸前ということに
なりそう。だから資源量を計るのは、資源管理のための必須事項なんですね。
CPUEとは、単純に言うと、一本の竿に何尾魚がかかった か、という指標です。
全く同じ竿で、釣りの技術も全く同じ人が湖Aと湖Bに行ったとします。湖Aでは4尾釣れて、湖Bでは2尾しか釣れなかった。そしたら、湖AのほうがBよりも2倍魚がいるだろう。そういう考え方で、魚の数を計
ろうという魂胆です。
単に漁獲量だけを見るのではなく「一本の竿に」と したところがミソ。
例えば湖Aでは一人で釣りに行って、湖Bでは二人で釣りに行ったと。その時、両者で漁獲量
が一緒だったとしたら、湖Bは、やっぱり湖Aの半分の数しか魚がいないだろうと言うことになる
のです。
二人がかりなのに、一人分の漁獲しかないんだから、湖に居た魚の数も少ないだろうというのはなんとなく見当がつきますよね。
ちなみに、「一本の竿で」というのは専門用語で
「単位努力量当たり」と言います。竿でも網でも船でも、取りあえず「一本or一網or一隻 で どれだけ獲れたか」=「単位努力量当た
り漁獲量」がCPUE(Catch Per Unit Effort :単位努力量当たり漁獲量)になるわけです。努力ってのは、魚を取ろうと言
う努力ですね。
CPUEを使うと、まず、相対的な数が分かります。CPUEが2倍になれば、魚の数も2倍いるだろうという関係ですね。
2000年にはCPUEが10(一本の竿に10尾魚がかかった)のに、2010年にはCPUEが5(一本の竿に5尾しかかからなかった)になったとしたら、「この10年で資源が半分になったのかも」と言うことになり
そうです。
それだけではなく、海に魚が何尾いたのかの計算も
可能になります。
●クイズ
初日船が1隻湖に出て、魚を1000尾獲った。その船以外は、誰も魚を獲っていない。
翌日、同じ船が全く同じ装備で漁をしたら、500尾しか取れなかった。
漁をする前と、後の資源量は何尾?
●回答
CPUEが半分になった→資源量が半分になった
初日にとった量は1000尾→1000尾とったら資源量が半分になった
→もともとは1000尾の2倍の魚がいた!
ということで、漁獲前には2000尾の魚がいて、初日で1000尾、二日目には500尾にまで減ってしまっただろうということが計算で
きます。
便利ですよね。
CPUEを最初に考えついた人は賢いと思う。
湖Aと湖Bに、「
船の性能も、船員の経験度も、一つの船ごとに全 く違ってきているでしょう。そういう違いを無視して「一隻ごとに何トンとれた」と言っても、余り信用できないかもしれません。努力量が、「見かけ」とは違 うかもしれないのですね。
複雑な統計モデル等を使って標 準化されたCPUEを使うこともあるようです。
文献
松宮義晴 : 魚を取りながら増やす 第2章 など
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